小学3年生から必修化された英語。
小学校の英語教育って本当に必要なのかな?
そんな疑問と不安を持つ方向けの記事です。
小学校での英語教育のメリットとデメリットについて書いています。
小学校での英語教育のメリットは耳が良いこと、照れがなく英語を話せること。
デメリットとして、時間がとられること、中途半端になるかもしれないこと。日本人らしさが失われる恐れ?について書いています。
目次
小学校英語教育のメリット
低年齢の子は耳が良い
子どもは言葉を覚える天才です。
母国語も生まれて数年のうちにあっという間にマスターします。
母国語というベースを手に入れた子供は、外国語をさらにマスターすることが出来ます。
もちろん中学生以降でも習得は可能。
ただ言葉を耳から入れて覚える力は小学生の方が勝ちです。
英語に照れがない
元イエール大学の助教授で英語塾経営の斎藤淳氏によると、
中学生になると英語の発音に照れたり、人前で話すことを嫌がる子が増えるそうです。
思春期に入り、異性の目を気にしたり、周りの意識して声が小さくなるなどします。
わざと日本語英語発音で読んだりします。
その点、小学生はためらいなく英語の世界に飛び込めるのです。
英語は喋ってみて上手くなるものです。ためらわずにやれるうちがいいです。
小学校英語教育のデメリット
時間を取られる
語学の習得はとても時間が必要です。
英語に触れ続けないと忘れてしまうため、何らかの形で学び続ける必要があります。
2020年度からの小学校英語必修化でも小学3・4年生は35単位。小学5・6年生は70単位増えます。
中途半端になるのでは?
小学校でちょっとやったくらいで英語が話せるようになるわけではありません。
中途半端になるくらいならやらなくていいのでは?
という意見がずっとありました。
確かに中途半端になる可能性は高いです。
ただ全ての子どもが小学校の授業で理科が得意になるわけではないですよね。
これは他の教科についても言えることだと思います。
日本人らしさが無くなる?
小さなうちから外国語をやることは日本人らしさがなくなるのでは?
そんな危惧もありました。
私が行っていた大学の授業でもその話題になった時、中国系カナダ人の先生がとてもびっくりしていたのを覚えています。
先生はイギリスの大学でも教えたことがあり、国際的なバックグラウンドを持っていました。
他言語を持つ良さをよく知っていたのでしょう。
「英語をやると日本人らしさがなくなる」
そのような考えは思いもつかなかったそうです。
むしろ自分の国と文化に敏感になるというのが自然な考えのようでした。
海外の小学校の英語教育事情
先進国のほとんどは小学校での英語教育を始めています。
もやは英語が世界の共通語であるのは事実です。
各国とも英語の必要性を感じて、小学校の低学年から必修化にしています。
アジア
アジアでは韓国・中国・台湾・タイなどが2000年前後には必修化されています。
最近ではますます英語熱が高まり、中国も韓国も子供たちの英語教育が熱心に行われています。
国名 |
開始年度 |
開始学年 |
韓国 |
1997年 |
3学年 |
中国 |
2001年 |
1~3学年(地域によって異なる) |
台湾 |
2001年 |
1~3学年(地域によって異なる) |
タイ |
1996年 |
1学年 |
出典:文部科学省「諸外国における小学校段階の英語教育の状況」
ヨーロッパ
ヨーロッパの中でも一番英語がうまいと言われるオランダは必修化が1986年。
かなりの老舗です。
同じく英語が上手いフィンランドも1990年で、今から30年前から小学校での必修化をしています。
国名 |
開始年度 |
開始学年 |
フランス |
2002年 |
2学年~(地域によって異なる) |
ドイツ |
2003年 |
1学年~(地域によって異なる) |
オランダ |
1986年 |
1学年~(地域によって異なる) |
フィンランド |
1990年 |
1~3学年(地域によって異なる) |
出典:文部科学省「諸外国における小学校段階の英語教育の状況」, 日本とフィンランドにおける英語教育の比較, 公立小学校における英語教育の成功要因
海外の小学校の英語教育は是非を問うレベルにはないことが分かります。
いかに効率的に習得していくかを考える段階にあります。
まとめ
今回は小学校での英語教育のメリットとデメリット、海外の取り組みについて書いてきました。
日本の小学校で英語の必修化が遅れたのには色々な不安と反対があったからです。
ただ小学生のうちからやることで早く効率的に英語が習得できれば、他のことに時間を使えます。
日本でもいよいよスタートする必修化。
これをチャンスととらえて外国語の世界を楽しめるといいですね。